最古のミイラ発見 2001.5.30毎日新聞 
 
        
 



 エジプト南部で紀元前3600〜紀元前3400年の一般人のミイラが発見された。これまでのミイラは紀元前3000年ごろ、財力を持つ王族の遺体を残すために始まったとされており、これが事実とすれば、ミイラの歴史を大きく変えることになる。ここで注目したいのは、時代もさることながら、一般人のミイラであったことである。これまで最古とされてきたのは、第4王朝(紀元前2610〜紀元前2490年ごろ)のヘテプヘレス1世(クフ王の母)のものであった。やはりかなり以前より一般民衆の間にもエジプト独特の死生観が根づいていたことがわかる。技術もさほどは進んでいなかっただろうし、身分によってその作り方も異なっていたであろうが、「ミイラといえば王族」といった定説はこれが事実であるならば完全に覆される。今後の発掘、調査に期待したい。