世界最古の線刻画 2001.7.6朝日新聞  
        
 
 



 フランス中西部のドルドーニュ地方にあるキュサック洞窟から、先史時代に描かれたと思われる線刻画が多数発見された。やはり、先史時代の絵画といえば、スペインのアルタミラか同じフランスのラスコーだが、このキュサックはラスコーの近くに位置する。そして、ラスコーが1万5千から1万9千年前といわれているが、このキュサック洞窟のものは2万2千から3万5千年前にさかのぼると推測されている。描かれているのは、他の先史時代のものと同じで、マンモスや牛、女性などである。いずれにしても最古級の絵画であることはまちがいない。しかし、私が絵を描くのが苦手なせいもあるが、ラスコーにしてもアルタミラにしてもその芸術性には驚かされる。赤ちゃんや子どもが描くような幼稚なものではないのである。芸術性というのは時代とは関係ないということ改めて痛感した。