「日本海」が消滅? 2002.9.8朝日新聞など
        
 
 



 「日本海」という名称をめぐって日本と韓国が対立している。海や水路の名称を定める国際水路機関(IHO)が海図の指針から「日本海」という名称を削除した。韓国が1982年より自国で使用している「東海」に改めるように主張し始めたことから今回の決定になった。11月末までにIHO加盟の72カ国が投票し、過半数の賛否で最終決定ということになる。
 それではいつごろから「日本海」という名称が使われてきたのか。実は「日本海」の名付け親は日本ではなく、まだ日本が鎖国中であった1798年にフランスの軍人ラ・ベルーズが作成した「オホーツク海周辺発見地図」に「日本海」(SEA OF JAPAN)がでてくる。しかし、17,8世紀のヨーロッパの古地図は「日本海」「朝鮮海」でほぼ二分されており、ロシア軍人クルゼンシュテルンが19世紀初めに出版した『世界周航記』で「日本海」と表記されたことにより広まったようである。
 外務省は併記も認めない、という強い態度でのぞんでいるが、どう決着されるにせよ偏狭な民族主義のために両国関係にひびが入るようではさみしい限りである。