キューバ革命の英雄 チェ・ゲバラ 2002.10.17読売新聞
キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラがボリビアにおいて銃殺されてから35年を迎える。しかし、冷戦終結後も彼の姿は消えることがない。彼は、1928年アルゼンチンに生まれる。そして、現在キューバ国家評議会議長のカストロと出会い、キューバ革命に参加する。革命後は、国立銀行総裁や工業相を歴任したがその後出国し、コンゴ、ボリビアでゲリラ戦を指導した。1987年ボリビア、サンタクルス県ライゲラ村で政府軍に捕捉され銃殺された。死後神格化され、社会主義体制の維持やゲリラ組織の闘争の思想的支えとして利用された。彼が遺した書簡は出版され、写真家アルベルト・コルダ氏が撮影した写真は世界中に広まった。私も彼の写真がプリントされたTシャツをどこかのみやげ物屋でみたことがあるが、その風貌は確かに若者を引きつけるだけのカリスマ性を備えている。住民わずか100人の小さなライゲラ村であるが、毎年1000人以上の来訪者があるという。
社会主義の理想に燃えて戦った彼だが、現在の社会は予期しえないものであるにちがいない。また、自分の肖像画や書簡についても、これほど世界に流布しているとは想像できないであろう。21世紀を迎え、彼の真の姿を見、再評価すべき時が来ているのかもしれない。