パンチェン・ラマ11世 2001.2.26読売新聞
再び、チベット仏教の活仏である。今回はインド亡命側ではなく、中国側に立つ活仏である。このパンチェン・ラマ11世は、年齢が11歳で中国政府が認めた活仏である。その彼が中国に対する忠誠心をいろいろな形で表明しているようである。まあ、中国側が立てているのだから当たり前のことではあるが、写真集を出したり、テレビに出演したりとその派手さが際だっている。このパンチェン・ラマ11世はダライ・ラマに次ぐ権威をもつ。当然、中国政府としてはその権威を笠に着てパンチェンを政治の道具に使っているのだが、何とも大人げない、見え見えの所行である。チベットがこのまま中国に帰属するのかそれとも独立の道を歩むのか、まだまだ先行きは不透明である。いずれにしてもチベット人の本音が聞いてみたい。