アンコール遺跡から「四面千仏石柱」発掘 2001.8.26愛媛新聞
        
 
 



 アンコール遺跡群の中の12世紀末から13世紀初めの仏教寺院バンテアイ・クデイの参道付近から同時代の「四面千仏石柱」が上智大学調査団によって発掘された。
 アンコール遺跡はもともとヒンズー寺院であったが、このバンテアイ・クデイを建立したジャヤバルマン7世が大乗仏教を信仰し、現在のカンボジアにおける仏教信仰の基礎が築かれた。こうした曼陀羅状の石柱が存在したことは、この時代にすでに一定の仏教文化がこの地に根づいていたことを示す。ジャヤバルマン7世の没後、ヒンズー教徒と仏教徒の間でかなりの確執があり、その結果、この石柱が丁寧に安置し隠されたようである。ヒンズー教から仏教への過渡期の遺物であり、これからの発掘が期待される。