チンギス・ハーン幕舎跡 2001.9.30読売新聞
        
 
 



 チンギス・ハンの宮殿跡と見られているアウラガ遺跡からその幕舎跡と思われる遺構が発見された。このアウラガ遺跡を発掘・調査しているのは日本モンゴル合同調査隊(総隊長は加藤晋平國學院大教授)。約30センチの高さに積み上げた幅79センチの壁の下部が出土された。同時に2代皇帝オゴタイ・ハンのものも確認されており、これでモンゴル皇帝の居所は天幕であったことが証明された。
 まあ、皇帝が天幕に住んでいるのは、遊牧生活をしているので、当たり前といえば当たり前である。ただ、ユーラシア大陸に君臨したモンゴル大帝国の皇帝……と大上段に振りかざせば「えっ」と思うかもしれない。しかし、遺構より推測すると、直径が20メートル近くあり、面積にして普通の天幕の10倍以上に相当する大きなものではあった。
 この余勢を駆って当初の目的であるチンギス・ハンの陵墓も発見できればよいのだが。