世界最古の洞窟壁画 2001.10.4愛媛新聞
洞窟壁画といえば、フランスのラスコー、そしてスペインのアルタミラ(1万3500年前)だが、ラスコー(1万8千年前)よりも古い今から3万年前の線刻画が、フランス南東部のショーベ洞窟で発見された。この年代が特定できたのは、放射線微粒子加速装置という最新兵器によってである。ラスコー以上にその描法も精密であり、必ずしも単純から複雑へと進化していくとは限らないことが証明された。以前にも書いたが、旧石器の洞窟壁画のすばらしさには驚かされる。確かに現代は物質的には豊かであるが、感性や創造性など人間の奥深いところでは、進化している、とはとうてい言えない。努力してどうなるものでもないとは思うが、旧石器時代の人に負けないような豊かな感性を持ちたいと思う。