女スパイ マタ・ハリ 2001.10.17読売新聞
        
 
 



 第一次世界大戦中にフランスにおいて、ドイツのスパイとして銃殺処刑されたマタ・ハリの再審請求が、処刑から84年ぶりに提出された。
 マタ・ハリは美貌の女スパイとして知られるオランダのダンサーである。インド舞踊のダンサーとしてデビューし,第一次大戦前夜のパリで一世を風靡した。ドイツ側のスパイとして活動した容疑で逮捕され,死刑を宣告されて,1917年10月15日未明バンセンヌで銃殺された。
 ところが、母国オランダにあるマタ・ハリ財団が関係資料を検証した結果、4点の疑義があるとして今回の再審請求となった。
 しかし、マタ・ハリがドイツのスパイというぬれぎぬを着せられた背景は容易に推測される。当時フランスのドイツに対する対独復讐心はすさまじいものであった。普仏戦争でドイツに領土を奪われたフランスにとっては当然かもしれない。しかし、その結果、犠牲となったマタ・ハリ。長い年月が経過しているとはいえ、しっかりした裁判を望むものである。