シルクロード共同調査 2002.7.3日経新聞
地道な調査が日本と中国との共同で進められている。「シルクロード」といってももう決して目新しい歴史用語ではない、過去の歴史用語となりつつある。しかし、シルクロードは日本の数倍の地域にまたがっており、無限に近い、可能性に満ちた広大な土地がまだ残されている。今回のシルクロード学研究センターと中国側との共同調査は今年で4年目になる。初年度(1999)は青海省省都の西寧や青海湖周辺、2年目(2000)は青海省を東西に横断、3年目(2001)は四川省の成都に通じるルートを調査してきている。
歴史を構築する上で大切なことは、資料収集であるが、第一次資料の重要性はいうまでもない。そして実際に現地に足を運ぶことによって、その地域の風土に触れ、地域の独自性を体感することができる。この作業が重要である。いくつもの調査隊が全世界に飛び回っている報道に触れるにつれ、頼もしさを感じる。日本の研究者が世界を舞台にさらに活躍することを期待する。