考古学にX線の力 2002.7.6朝日新聞
最近では珍しくはなくなった感のある、考古学における自然科学の利用だが、それでもX線を用いることによって、古代エジプトの壁画に使われた顔料まで特定できるようになった。 古代エジプトの墓は赤、黒、青、黄、緑など豊富な色で彩られているが、例えば、ツタンカーメンの棺にも使われた鮮やかな「エジプシャン・ブルー」は、銅鉱石などに現地の砂を混ぜて加熱すると発色する人工的な青であることがわかった。
しかし、まだまだこの世界における自然科学者は少ないことや、先頃の旧石器捏造事件の例もある。情報化社会が進んだ今、もう後戻りはできない。これら最先端の技術を慎重に使うとともに、これら自然科学の進歩による考古学上の成果にこれからも期待したい。