宗教が差別・貧困を生み出す? 2002.7.7朝日新聞
第6回アジア宗教者平和会議がインドネシアで開催された。インドネシアといえば昨年7月誕生した大統領が女性であるメガワティ大統領である。しかし、このインドネシアも男性優位の社会であり、女性の人権はまだ十分に保障されていない。
会議初日に講演を行ったスワミ・アグニベッシュ(インド)氏は宗教の名において多くの社会的不正義が隠蔽されていると指摘した。貧困や不平等を固定する身分制度、男女の性差別など、宗教こそがその差別や貧困に手を貸しているのではないか、と問う。また、シャフィー・マリーフ(インドネシア)氏は「信仰があるのに、なぜ搾取が存在するのか。差別が存在するのか」と自問する。
これは宗教戦争、聖戦という外的なものではなく、宗教内部の問題である。「人権」という観点から宗教もまた変わらなければならないのかもしれない。