古代中国の時間概念 2002.8.4愛媛新聞
        
 
 



  先に中国秦代の竹簡が大量に出土したというニュースが入ったばかりだが、その内容に関する続報が入ってきた。それは、ある公文書の日付の最後に細かい時間が記されていたということである。「水下五刻刻下三」とあり、「水下」は水時計のこと、「五刻」は大きい時間の単位、「刻下三」が小さい単位とみられる。つまり、分単位の時間の概念が当時すでに存在していたことになる。水時計については「漏壺」とよばれる青銅製のものが出土されており、秦代より使用されていたことがわかる。現代の我々よりもむしろ、時間に厳格であったのではないか、そしてこれだけ詳しい公文書を残しているということは、官僚機構がかなり整備されていたものであることが容易に推察される。