シリア・パルミラ遺跡 2002.10.29朝日新聞他
世界遺産にも登録されているシリアのパルミラ遺跡において彫像つきの石棺がほぼ完全な形で発見された。発掘調査をしているのは樋口隆康奈良県立橿原考古学研究所長を団長とする奈良・パルミラ遺跡発掘調査団。彫像には家族で食事をする様子が表現されているが、当時の風俗や死生観をうかがわせる資料として注目される。この地下墓は碑文によると113年に建てられたもので、ローマ帝国がパルミラを征服する274年の直前まで複数の家族がいたと思われる。シルクロードの中継地でもあるパルミラにおける発掘なので東西交流の形跡が発見されることも考えられる。今後の発掘、調査が楽しみである。