スターリンの2つの評価 2002.12.8産経新聞
スターリンは来年でちょうど死後50年を迎える。ロシアでは、このスターリンを巡って2つのしかも正反対の評価が下されているという。
まず一つは、先にも強制収容所の記事を紹介したが、「恐怖政治弾劾」の動きである。スターリン時代の政治犯用の強制労働収容所の一つである「ペルミ第36強制労働収容所」が一般公開されるとのこと。この収容所は飢餓と拷問が過酷であったことで知られているが、今回の公開でスターリンの犯罪を広く知ってもらい、弾劾し続けようとの趣旨である。 一方、第二次世界大戦中、もっともソ連がドイツによって追い込まれた、そしてこの戦勝から形勢が逆転したスターリングラードの戦いからちょうど60年を迎える。フルシチョフのスターリン批判後、スターリングラードはボルゴグラードに名称が変更されたが、60周年を契機にスターリングラードへ再び名称を変えようとの動きがある。映画「スターリングラード」でもその過酷な戦場の様子が描かれていたが、それを勝ち抜いた老人もここには多く、この動きになっているという。ただどう考えても、また冷静になればなるほどスターリンは負の遺産が大きすぎると思う。しかし、是は是、非は非としてきちんと評価すべきである。